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山口むかし話 その6
臼臼まわれ
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むかし、むかし、周防(すおう)の国のある村に、正直で親切な庄屋(しょうや)さん夫婦が住んでいました。
この庄屋さんの家には、ずっと昔から伝えられて来た宝物がありました。
その宝物というのは石の臼でした。

この石臼に「臼、臼まわれ」といいますと、真っ白な塩が、さらさらといくらでも出てくるのです。
庄屋さんはその塩を村の人たちに分けてやりました。
そのおかげで村全体は塩にふじゆうせずしあわせに暮らしていけました。

ある日のこと、この不思議な石臼の噂を聞いた隣の国の庄屋さんが、周防の国の庄屋さんの家までやって来て、
「わしにもあんたのうちの石臼をおがませてくれぇや」と、頼みました。

正直で親切な周防の国の庄屋さんは、蔵の中に案内して、石臼から塩を出して見せました。

これをみた隣の国の庄屋さんは、まこと噂通りに塩の出る石臼をうらやましく思い、石臼がほしくなって、ふと悪い心を起こしました。

そしてその晩のこと、お供につれてきた村の若者に、石臼を盗み出させ、海から舟で逃げることにしました。

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