その、よく晩のことでした。 おしょうさんのへやのしょうじをたたくものがいるので、あけてみると、きつねがおりました。 そして、ゆるしてもらったお礼にと、みごとな鯛を二尾おいて帰っていきました。 「なるほど、きつねも本心に返ったようじゃな。もう、これからは、いたずらもしまい」
そして、そのあくる朝のことです。 きつねがわざわざもってきてくれた鯛をと、しまっておいた戸だなの中をのぞいてみると、そこに鯛のすがたはなく、大きな葉っぱが二枚かさなっていた、ということです。
(玖珂郡)
ページのトップに戻る