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山口むかし話 その6
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やがて、周防の国がはるか遠くになったところで、
「もうここまでくりゃあ、ひと安心じゃ」と庄屋さんはさっそく、石臼のききめをためしてみたくなりました。

そこで石臼に向かって、「臼、臼まわれ」といいますと、石臼から真っ白な塩がさらさらと出てきました。
「ほうほう、これはみごとなものじゃ。これでわしらも、しあわせに暮らせるわい」
庄屋さんは石臼から出てくる塩を手にすくい上げては、「もっと出よ、もっと出よ・・・」と、喜んでいました。

そのうち舟は塩の重みで、かたむいてきました。
「庄屋さん、臼をとめなさらんと、沈みますじゃ」
若者の叫ぶ声に、塩が出るのをとめようとしましたが、臼の止めかたを知らない庄屋さんは、どうしてよいのかわかりません。
あわてた庄屋さんは、「やいやい、臼よ止まれ、止まれ、臼止まれ」と、いいましたが、石臼は止まりません。若者も石臼の柄にしがみつき、止めようとしましたが、やっぱり止まりません。
「臼よ止まれ、止まってくれよ、頼む止まってくれ」すっかり庄屋さんは泣き声になりました。

そうこうするうちにも塩はどんどん出て、舟はぐっとかたむいて、海水がはいりはじめました。
みるまに、舟はひっくり返り、二人は海にほうり出され、石臼は海の底深く沈んでいきました。

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