召使いたちは、それぞれ探しに出かけましたが、なかなか思いつきません。
すると、召使いの一人は、子守が泣く子に、くるりくるりとまわしては、鳴らしてみせている、でんでん太鼓をみつけました。 それは、太鼓の両わきにくくりつけてある、糸を通した豆が、まわすたびに鳴るものです。
「なるほど、これじゃ、これじゃ」と、これをもらってかえり 「たたかん太鼓の鳴る太鼓でござります」と、大尽にさしだしました。
すると、それをみた大尽は 「これがどうして、たたかん太鼓の鳴る太鼓じゃ。豆が太鼓をたたいとるじゃないか」と、その召使いの頭をポンとたたきました。 「なるほど」と、その召使いは、たたかれた頭の痛さにしかめ顔をして、引き下がりました。
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