大尽は、太鼓を転がしながら 「ところで、うそうそべいのしかめ顔はどうしたのじゃ」と、いいました。
すると、どうしたはずみか、太鼓の紙が破れ、中にいたくまん蜂が、みんな飛び出てしまい、大尽に群がって、顔をさしてしまいました。
大尽はくまん蜂をふりはらいながら 「うそじゃ、うそじゃ」と、しかめ顔で逃げ回りました。
これをみた召使いはすかさず 「へい、それが、うそうそべいのしかめ顔でござります」と、いったそうです。
(吉敷郡)
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