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山口むかし話 その19
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そこで、動物たちは
「自分が一番先に行ってやろう」と、正月元日の朝がくるのを待っていました。

さて、元日になると、暗いうちから目が覚める牛は、歩くはやさも、のそりのそりと遅いので、夜の明けないうちから支度をしてでかけました。
そのようすを天井裏から見ていたねずみは、ぽんと牛のせなかにとびのりました。

牛はそれを知らずに、神さまの御殿(ごてん)までやってきました。
あたりを見まわしましたが、他の動物たちはまだ来てません。
「わしが一番さきに到着じゃ」と、牛はおおよろこびで、門が開くのを待ちました。

ところが、神さまの御殿の門が開いたとたん、牛のせなかからねずみが飛びでて、ねずみが一番に、牛は二番になってしまいました。

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