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山口むかし話 その1
節分の豆
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むかし、むかし、ずっとむかし、
まだ山やまに、鬼がたくさんすんでいたころのことです。

その鬼どもは、里に出てきては、親たちが、ちょっとでもゆだんをしていると、子供をとって、たべてしまうので、里の人たちは、ほとほとこまっておりました。

村人どうし、いろいろ相談してみても、
とうてい鬼をふせぐようなよい考えはありません。

とうとう、神さまにお助けを乞うよりしょうがなかろうということになり、三斗(と)五升(しょう)七合(ごう)のお餅をついておそなえし、神さまにおねがいすることになりました。

そこで、神さまは鬼どもをあつめられて、
「来年からはこうする。それはじゃ、節分の豆の中で、芽のはえたものがあれば、その家の子供をとってたべてもよい。
しかし、芽のはえる豆がないのに、もし子供をとってたべたとなれば、そのときには、お前たちの金棒をとりあげてしまうことにする。必ずつつしめよ」
と申しわたされました。

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