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山口むかし話 その1
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鬼どもは、金棒をとりあげられては仕事になりませんので、しょうがなく承知しました。このことを聞いて親たちはようやく安心し、
「節分の豆だきゃあ芽のはえんようによういろうぜな」と話し合いました。

ところが、里にひとりのなまけ者の親があって、ていねいにいらずにまいてしまいました。

すると、さっそく、鬼どもがその親の家にやってきて、
「子供を出せ、子供を出せ」とせまりました。

「なぜじゃえ、豆は、いっちょるはずじゃ。芽は出やせん」とその親がいいましたが、鬼は豆を出して、その大きな歯でかんでみて、
「このとおりじゃ、ぱりっとも、ぷりっとも音がせぬわい。おまえもかんでみろや」といいました。

その親がかんでみますと、なるほど鬼がいうように、
青くさくてたべられません。

「どうじゃ、それじゃ芽が出る、花も咲くぞ。さぁ、子供を出せ、子供を出せ」と鬼どもがせまってくるので、その親は
「助けてくだされ、助けてくだされ」と泣きさけびました。

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