もぐら夫婦は、さっそく風のところへ行き 「娘をもろうてくだされい」と、頼みました。 すると、風は 「いやあ、わしも練塀(ねりべい)にゃあ、どねえしょうもない。わしの風がなんぼふいても、練塀が邪魔(じゃま)すりゃあ、かてんけえの」と、言いました。
上には上があるものじゃと、もぐら夫婦は感心して、練塀のところへ行きました。 「練塀さん、うちの娘をもろうてくだされい」 また頼むと、練塀は 「いやいや、わしがこねえに立っちょっても、もぐらから下をほじくられたら、じきに倒れてしまうけえ、もぐらの方が上じゃ」 と、言いました。
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