驚いた兄弟がいろいろたずねますと、この姉妹は、山ひとつ越えた里の裕福な家の娘たちでした。
しかし、ぜいたくに育てられたのでわがままになり、夕飯の手伝いもしない有様でした。
あまりいうことを聞かないので、つい、母親が
「いうことを聞かないと、たにしになりますよ」と、いったところ
「たにしになってもええわいな」と、姉妹は口ごたえしました。
すると、みるみるうちに、たにしの姿になりかわってしまい、姉妹は、この村の田んぼにやってきて、鳥たちにいつ食べられてしまうかとおびえていたところを、兄弟たちに助けられたということでした。
どうしたわけか夕方だけは人間に戻れるので、姉妹は恩返しに、夕飯を作っていたということです。
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