「あれ、こんなところにお地蔵さまがいてござる。もったいないことじゃから、みんなで川向こうの山のお堂へおまつりしよう」 こうして、眠っているおじいさんをお地蔵さまとまちがえた猿たちは、みんなで手車をくんで、おじいさんをかつぎました。
おじいさんは起きていましたが、だまって猿たちのするようにさせておきました。
そして、川を渡るとき、猿たちは 「流れははやく水深く たとえわしらは流されようと お地蔵さまだけは流すまい」 と、はやしたてました。 おじいさんは、おかしくてしかたがありませんが、じっと目をつぶってこらえていました。
やがて、猿たちは、おじいさんをお堂にかつぎこむと、どこから持ってくるのか、かわるがわるに 「お地蔵さまにしんぜましょう」 と、たくさんのおさいせんやおもちやお米を、おじいさんの前にそなえました。
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