山についたじいさんは、聞いたとおり、お地蔵さんのようにじっとすわりこみました。 すると、猿たちがきて、じいさんを運びはじめました。
そして、川をわたるとき、猿たちはまた、同じようにはやしたてました。 これを聞いたじいさんは、おかしくてなりません。 ぐっとおなかに力を入れてがまんしましたが、力を入れすぎてプッとおならをしてしまいました。
すると、猿たちは 「あれまあ、お地蔵さまがおならをするなんぞ、これはにせものじゃ、にせものじゃ」 と、じいさんを川に落としてしまいました。
じいさんは、ずぶぬれになって家に帰りました。
一方、ばあさんは、きれいな着物が手にはいると思い、古い着物をみんな燃やしてしまいました。
こうして、欲の深いじいさんとばあさんは、とうとう大かぜをひいてしまった、ということです。
(大島・玖珂・熊毛郡)
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