ある晩、たくましい若者四、五人が町から帰るとちゅう
「今夜あたりきつねが出んもんかのう」
「わしらがこらしめてやるのにのう」などといいながら、長祖生(ながそう)までやってきました。
すると、そのとき、船が岩に乗りあげたらしく、浜のほうから、船頭(せんどう)がしきりに助けをもとめていました。
若者たちは、海にはいり、岩から船をおろそうと、力をあわせて船をおしました。
しかし、船はなかなかうごきません。
そのうち、夜が明けてみると、なんと今までいっしょうけんめいおしていたのは、船ではなく浜の大岩でした。
|