ある日のこと、東のおばあさんは西のおばあさんにこのことを話して聞かせました。 すると、欲の深い西のおじいさんとおばあさんは 「縁起の良い、えんこうの一文銭をちょっと貸してくれまいか」 と、頼み、正直者の東のおじいさんは貸してやりました。
西のおじいさんは、ほくほく喜んでもって帰り、さっそく天井裏につるしましたところ、その日から、身代(しんだい)がしだいに盛りかえしてきました。 するとこんどは、東のおじいさんたちの家は、また昔のように貧乏になっていきました。
東のおじいさんは、西のおじいさんに返してもらうよう催促にいきましたが、どうしても返してくれません。 困り果てた東のおじいさんは、とうとう家の猫に 「えんこうの一文銭を、西からもってきてくれんか」と、頼みました。
日頃のご恩返しにと、猫はさっそく出かけましたが、大きな河を渡れずに困っていました。 そこへ、犬が通りかかったので、猫はわけを話し、犬の背にのって、河を渡してもらいました。
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