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Vol.40 古き良き岩国の新たなる挑戦
そぞろ歩いて歴史発見西岩国の城下町
上/〈時代屋 からんころん〉カフェ、着物レンタルや古布のリメイクなども行う。
下左/古い家屋が残る酒屋にて、これまた歴史ある看板が健在。
下右/〈平清〉岩国寿司など郷土の味を楽しめるほか、うなぎも名物。
錦帯橋のたもとには、地元の人が西岩国と呼ぶ城下町があります。錦帯橋を渡れば、岩国城下に役人や上級武士が住んだ横山地区。手前の西岩国は、中下級武士や町人の町でした。
碁盤目のような町割りに昔ながらの武家屋敷が残る西岩国は、路地に入り込み、町に暮らす人々と会話するのが楽しい町。小路に昔懐かしい駄菓子屋を見つけたり、かぎ曲がりの名残をとどめたカーブの道で「ここはスピードが落ちた敵を槍でつついたポイント」の説明に納得したり。
奥深い魅力に満ちた城下町ですが、維持が難しいために古いものは減りつつあるそうです。一方で古い屋敷の雰囲気を生かした店舗もあり、町を散策してもらうために協力しあってポイントラリーを企画するなど、町おこしをする人も現れ始めました。
「ここは癒しの町。大事に残したいから、古いものを懐かしむのではなく、その中に今の時代の価値や命を見い出すのです」と、ある店のご主人。その言葉には故郷への深い思い入れがありました。
左/〈あさを〉創業100年というお菓子量り売りの店。10円の駄菓子から販売。子どもから90歳のおばあちゃんまでが常連さん。
右/〈菓子工房 緑の里〉軽食・喫茶、土産販売もある。明かりとりの中庭など西岩国の武家屋敷の特徴が分かる店。
「人間をつくるのは故郷です」と語ったのは、岩国に生まれた作家、宇野千代さん。98歳までの波乱の人生を笑顔で生き抜いた彼女は「幸福は幸福を呼ぶ」と考え、日常のささいなことに幸せのかけらを見つけて、その幸せを人の心にも分けて生きた人でした。その精神は、地元の人が「癒しの町」と呼ぶ岩国に今も脈々と流れているようです。
左/〈宇野千代生家〉1974年に作家自身が昔のままに修復、過ごした家。庭が見事。芽吹きの春、新緑の頃など四季折々に美しい。
右/生前の千代さんを知る古川豊子さん(右)は『宇野千代生家を守る会』代表
時代屋 からんころん
TEL/0827-41-1089 営業時間/10:00~18:00、不定休
平清(ひらせい)
TEL/0827-41-0236 営業時間/11:30~14:00、17:00~20:30、不定休
あさを
TEL/0827-41-0995 営業時間/8:30~19:00頃、不定休
菓子工房 緑の里
TEL/0827-41-1370 営業時間/10:00~18:00、不定休
宇野千代生家
TEL/0827-43-1693 営業時間/10:00~16:00、火曜定休