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Vol.47 温泉巡り ぶらり山陰 なごみの立ち寄り湯
地元のおやつにほっこり笑顔
国道191号線を西へ。萩市と萩市に挟まれた阿武町には、雄大な名前をもつ小さな立ち寄り湯があります。その名も「日本海温泉」。阿武町道の駅に併設された温泉施設です。もともと地元民の憩いの施設として造られたとあって、貸しタオル込みで300円は銭湯並み。「仕事帰りにサッパリして帰る常連もおるよ。海に落ちる夕日もきれいじゃけえ」と従業員さん。
肌にすいつくようなまろやかな湯は少ししょっぱいナトリウム塩化物泉。体がほっこり温まります。
小腹が空いたら同じ敷地内で売っている萩名物、蒸気船まんじゅうをどうぞ。船の形をした、一見、太鼓まんじゅうのようなもので、萩の人にとっては馴染みのあるおやつです。ある郷土史によると、日露戦争の最中、萩沖に出没した戦艦を見た萩の人々が「まんじゅうにして食ってしまえ」と作り始めたという説があるとかないとか…。祖父の代から蒸気船まんじゅうを焼いている八代文子さんは、「近所に住む90歳代のじいちゃんが、5つ6つの頃に食べよったというから100年近くにはなるかね」。そんな世間話をする間に焼き上がったアツアツの蒸気船まんじゅうは一個80円なり。おばあちゃん手作りのあんは小豆の味が生きた、懐かしい味わいです。「週末の前の日(金曜)は小豆を炊くからお休み」なのでご注意を。
■日本海温泉テルメ阿胡
阿武郡阿武町奈古2253-1
TEL:08388-2-3380
営業/11時~21時、第1・3水曜休、入浴料/300円