むかし、厚狭の庄屋さんに、寝太郎と呼ばれる 寝ることの好きな息子がおりました。
三年と三月を寝て暮らしたある日のこと、寝太郎はひょっこり起きてきて、「お父さん、わしに千石船を一そうつくってつかぁさい」と、やぶから棒にせがみました。
「千石船をつくれとな。夢の続きでもみちょるんかい」と、父親の庄屋さんは相手にしませんでしたが、「わしゃぁ、本心じゃ。たのむけぇ、千石船をつくってつかぁさい」と、寝太郎は真剣なので、庄屋さんは根負けして千石船をつくってやりました。
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