これを聞いたかっぱは喜んで言いました。 「わしが引いちゃるで、お前さんの娘を嫁にくれるかの」 おじいさんは、こんな小さなかっぱにできるはずもないと、つい約束をしてしまいました。
あくる日、おじいさんは田んぼに行ってびっくりしました。田んぼいっぱいに水がはってあるではありませんか。
おじいさんは、水の引き主を神さまと思いこみ、かっぱの言ったことなどすっかり忘れて、娘と大喜びしました。
そのとき、ぴょこんとかっぱがあらわれて言いました。 「おじいさん、わしのいうたこと忘れてはいまいな。この水はわしが引いたんじゃぜ」 おじいさんは言いました。 「お前の力でできるもんかいの。こりゃあ、神さまがお引きくださったんじゃ」 かっぱは腹をたてて、田んぼの水を一滴もなくしてしまいました。
かわききった田んぼをみて驚いているおじいさんに、かっぱが言いました。 「どうじゃ、これでもまだ、お前はこのわしを信ぜりゃせんかい」
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