こうなっては、おじいさんの負けです。
「信じる。じゃから、もういっぺん水を入れてくれ」と、かっぱに頼みました。
すると、かっぱは得意になり、
「引いちゃるかわりに、約束を忘れんようにな」と言って、田んぼいっぱいに水を引きました。
おじいさんはとうとう娘をかっぱにやる約束をしてしまいました。
これを聞いて、ようやく娘も決心をし、ひょうたんを三つ持って、お嫁に行くことにしました。
あくる日、かっぱは朝早くから待ちかねていました。
かっぱが娘を水の中へ連れて行こうとすると、娘は言いました。
「先にこのひょうたんをはこんでおくれ」と、かっぱの背中にひょうたんをくくりつけました。
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