そしてよわよわしく言いました。 「お前さんの願いは何でも聞いちゃるから、はよう、このばけもんをのけちょくれ」 そこで娘は、かっぱに水のもりを頼みました。 そして背中のひょうたんをとってやると、 「はあ、そのばけもんはおそろしい。そないなもん持っちょるお前さんもごめんじゃ」と言って、かっぱは水の中へ帰って行きました。
それからというものは、田んぼにはいつも水がたまり、おじいさんと娘の苦労はなくなりました。 そのかわりかっぱにはお礼にと、夏がくるといつも、かっぱの好きなきゅうりを淵に流してやることにしたそうです。
(都濃・佐波郡)
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