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山口むかし話 その7
みょうがの宿
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むかし、むかし、吉敷(よしき)郡の嘉川(かがわ)という宿場に、欲の深い夫婦が宿屋を営んでおりました。

しかしそのわりにはもうからず、夫婦は番頭や女中たちに小言ばかりいっていました。

そうしたある夏の日の夕方のことです。
客引きに出ていた番頭があわてて帰って来て
「今、えろう景気のいい客人を七人もおつれしました」と、にこにこ得意顔で申すのでした。

表を見ると、身なりのよい客人たちが着いたばかりのところです。
「何でも宮島様へのお礼詣り(おれいまいり)じゃそうで、たんまり銭子(ぜにこ)はあるから、ええ部屋に通してくれとおっしゃるのです」

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