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山口むかし話 その7
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客人たちは
「空腹じゃで、一刻も早う、それで頼みますじゃ」と、機嫌のよい返事をしてくれました。
主人はほっと安心し、すぐさま帳場にいってみょうが料理の指図をしました。

「うまい具合にいったわい」
と、欲の深い夫婦はわくわくしながら互いに顔を見合わせて、うなずき合いました。

その翌朝、客人たちはまだうっすらと暗いうちに、支度もそこそこに、たって行きました。

客人を送り出して、みんながほっとしていたころ
「忠助や、忠助や」呼ばれて番頭の忠助が主人の前にかしこまると
「あれだけみょうがを食べりゃ、さいふの四つや五つぐらいは忘れていったに違いない。早う座敷を見てくるんじゃ」
主人にいわれて番頭は、奥の座敷へ飛んで行きました。

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