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山口むかし話 その7
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聞いて、宿の主人はとたんにほくほく顔。
番頭に座敷へ案内させると、女房を呼んで相談しました。

「今夜の客は、えろう持っとるそうじゃで、何かごっそりとつかわせる手はないもんかいの」
というと、女房は
「そうそう、みょうがをたくさん食べると、もの忘れをするということじゃ。みょうがのごちそう責めで、客人のさいふを忘れさせることにすりゃええじゃないかいの」
といいました。

すると主人は、奥の座敷へ飛んで行き
「手前ども自慢の暑気払い(しょきばらい)の料理“みょうがの重喰い(かさねぐい)”というものを差し上げることにいたしとうござります」
と、うまいこと挨拶しました。

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