すると、いつぞやの鶴が、お百姓さんのあわてたすがたをみて、わけをきくなり「わたしがおたすけしましょう」と お百姓さんの家へ飛んで行きました。そして鶴は、苦しんでいる子どもの口を開けさせると、その長いくちばしでなんなく柿の種をついばみ出してしまいました。
お百姓さん夫婦は大喜びで鶴にお礼をいい「八代の柿ぁ うまいんじゃが、種が多くてしょうがない。種さえなけりゃ、八代の柿は周防一じゃが」といいました。
これからです。八代の柿は干柿にすると、どうしたわけか種がすっかりなくなってしまい、子どもが種をのどにつめる心配がなくなった、ということです。こうして八代では、干した柿を干柿ともつるし柿ともいわず、鶴の恩返しと考えて、鶴柿(つるがき)というようになったそうです。
(熊毛郡)
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