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山口むかし話 その10
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すると、あぶが一匹、うるさくとびまわるので、男は、あぶをつかまえて わらしべでしばり、もってあるきました。

しばらく行くと、大名行列が通りかかりました。
小さな若さまは、あぶをもって歩く男をみて「あれがほしい」と、泣き出してしまいました。
男はちょっと困ったようでしたが
「よろしゅうござります。さぁ、これをおもちくだされ」と、わらしべを差しだしました。
すると、奥方はお礼にと大きな蜜柑(みかん)を三つ、男に渡しました。

「あれまあ、わらしべがこねえに大きな蜜柑になったわい」と、
男はまた歩きだしました。

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