すると、あぶが一匹、うるさくとびまわるので、男は、あぶをつかまえて わらしべでしばり、もってあるきました。
しばらく行くと、大名行列が通りかかりました。小さな若さまは、あぶをもって歩く男をみて「あれがほしい」と、泣き出してしまいました。男はちょっと困ったようでしたが「よろしゅうござります。さぁ、これをおもちくだされ」と、わらしべを差しだしました。すると、奥方はお礼にと大きな蜜柑(みかん)を三つ、男に渡しました。
「あれまあ、わらしべがこねえに大きな蜜柑になったわい」と、男はまた歩きだしました。
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