「あ、さっきの白蛇じゃ」 平太が振りかえってみると、白蛇は平太の前を通りすぎて、海の中へはいっていきました。
すると、白蛇が通ったあとには、ざわざわと波がわかれて小道ができ、それはずーっと今津の浜まで向かっているのです。
「これで今津に帰れるかもしれん」 平太は、白蛇の後について、ずんずん歩き、とうとう今津まで帰り着くことができました。 「ほんとうにわしは助かったぞ」 ありがたいと思って、後ろを振りかえってみますと、通ってきた道は跡形もなく消えていました。 平太は、白蛇をそっとふところに入れて家に帰り、大切に飼うことにしました。
こうして、白蛇は今津に住みつき、平太は末長く幸せに暮らしたということです。
(玖珂郡)
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