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Vol.38 色づく山と清流に抱かれた町へ
急傾斜の先に現れる五龍の滝は美しさもひとしお
左/龍頭の滝。エメラルドグリーンに光る滝壷が美しい。
右上/登龍の滝。
右下/龍尾の滝は、夏場は子どもの格好の遊び場所。
2000年から5年間にわたり、錦町のPRポスターは国際的なアーティスト、横尾忠則氏が手掛けています。そのきっかけは滝。中国山地にかかる錦町は、山口県内にある滝の約半数を有する滝の町。そこで、滝をテーマに精力的な創作活動を続けている横尾氏にポスター製作を依頼したといいます。
数ある滝の中から、横尾氏がポスターのモチーフにも使った『五龍の滝』を訪ねてみました。標高1337メートルの山口県最高峰、寂地山に広がる寂地峡。寂地川という1本の流れが5つの表情を見せてくれる五龍の滝は、日本の滝百選にも選ばれています。
ふもとの案内所で入手した地図を見ると、滝を巡るコースはわずか300メートル。気軽に登り始めたものの、短い間に5つの滝があるだけあってかなりの急勾配です。汗を流しながら登っていくと、次々と現れる流麗な滝や、清冽な水の流れには身も引き締まる思いがします。沢で手を浸せば水は冷たく清らか。1本の流れを追って滝をたどる楽しさは疲れを忘れたほど。滝が秘めたエネルギーを感じた渓谷歩きになりました。
滝が多い錦町。町の西側にある、もみじ谷の別名を持つ木谷峡も有名。