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Vol.39 長門に息づく文化の旅
三隅を「〈私の〉地球」と呼んだ画家、香月泰男
中庭にはおもちゃのオブジェがあちこちに。
三隅町では『香月泰男美術館』を訪ねました。
香月泰男と言えば、第二次世界大戦後の戦争捕虜体験をテーマに描いた『シベリア・シリーズ』があまりにも有名です。しかし、自宅の台所や道端の草花を描いた絵や、廃材で作ったおもちゃも多く、その作風は明るく、おおらかです。
復員した彼は重厚な作品を発表する一方で、三隅を「私の空であり、大地だ」「思い通りの家の、思い通りの仕事場で絵を描くことが出来る。それが”私の地球“である」と語り、愛する家族や暮らしで目にする風景を描き続けました。当たり前の生活にある幸せと、戦争の悲しみや苦しみ。両面を知ることでむしろ、ふるさとに生きた彼の喜びが伝わってきます。
ユニークなおもちゃは見ていて飽きることがない。
さて、県内の学校で美術を教え、三隅町を離れなかった香月さん。その日常を知る地元の人は多く、「川の橋の上でジッと何かを見つめている姿を拝見した」とは副館長の談。
美術館の外にはのどかな田園風景が広がり、かなたに香月が描いた山々が望めます。画家が物思いにふけった橋もすぐ近くです。
香月泰男美術館
住所/長門市三隅中湯免
TEL/0837-43-2500
開館時間/9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日/月曜(祝日の場合は火曜)、年末年始、その他
入館料/一般500円、大学生300円、高校生以下は無料
◎香月泰男美術館では、年3回の企画展を開催。