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Vol.43 酒蔵めぐり やまぐちの酒がおもしろい
山口の風土に合う酒米
日本酒は米と水から生まれます。良質な米がとれる山口県では質の良い酒造りが行われてきました。消費量は減少傾向にある厳しい状況は山口でも否めませんが、だからこそ「より質の高い、おいしいお酒造りを」という気運が高まっています。
そのひとつが酒米の開発です。「その土地のお米と水で仕込む日本酒は、地産地消の伝統的な文化です」
山口県酒造組合会長の小崎絢三(けんぞう)さんは、西都の雫開発に取り組んだ理由をそう話し始めました。
「酒米の最高峰とされる山田錦は県内生産していますが、広島県の八反錦のような県独自の酒米が山口県にはなく、蔵元も山口オリジナルの酒米を望んでいました」
その要望に応えて山口県農業試験場や産業技術センターと開発したのが『西都の雫』です。山田錦よりは価格帯が安く、負けない質のお酒ができる酒米を目指し、山口生まれの復活米・穀良都(こくりょうみやこ)と、山田錦の親・西海222号を交配。10年の歳月をかけて完成させました。昨年は13の蔵が西都の雫でお酒を仕込み、まずまずの評価。今年は14社が取り組みます。
「西都の雫は多くの関係者の努力の結晶です。蔵元の頑張りで、地元の皆さんに愛され、県外にアピールできる酒米に育ててほしい」
そう話す小崎さんも、自分の蔵で純米酒『一粒万倍』を造りました。「肴は長門の海の幸で」というお酒は、淡麗でキレのいい後味。
新しい酒米に土地の水、そして造り手の技や心が溶け合うと、どんなお酒になるのでしょうか。期待に胸を膨らませ、西都の雫でお酒を醸した酒蔵を訪ねました。
小崎酒造
代表銘柄『青海島』
住所/長門市東深川1159 TEL/0837-22-2433
営業時間/8時~17時 定休日/日曜、祝日