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Vol.44 知っちょる?山口のことば
山陰が『しちょるほ』瀬戸内は『しちょるそ』
山陽から山間に点在する集落を見下ろしながら車を走らせて山陰へ。萩では精悍な顔つきの漁師さんが、漁の厳しさを語ってくれました。
「冬の荒れた海を知っちょるかね?手がかじくれていね。魚が食った針をよーはずさんの(手がかじかんで、針をはずせない)」
同じ『~ちょる』という方言でも少し勇ましい感じがします。海添いの町や山の里といった環境やその人の表情で、受ける印象が変わってくるから不思議です。
山陰や西部は『…ソ』『…ホ』が混用され、山陽中部などでは主に『…そ』という語尾を使います。福田さん曰く「魚の行商が行き来していたJR美祢線沿いは混在しているようです」。下関市近辺で両方を耳にしたのは、そのせいでしょうか。
土地の言葉と向き合うと、そこの暮らしや歴史が見えてきます。時代が変わり、消えていく方言もありますが、同じ土地の者同士が親しみをもって通じ合える良さは大切にしていきたいものです。
「はよーおーきゅうなりいね!」 下関市 順子お母さんとせっちゃん&あっくん |
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「えーマンションやけー、こーてほしいソっちゃ」 下関市 不動産業2カ月目の岩本さん |
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「私のプチ自慢。瀬つきアジ漁で兄貴とテレビの『どっちの料理ショー』に出たんよ。あねーなこと、ちゃっとなかろう」 (ちゃっと=もう二度と) 萩市浜崎市場 萩市大島の漁師の三次さん |
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「猟犬はひとつ指導犬がおりゃー、ついていく。ほいで、犬とゆーもなー、ハァ一番ふりー犬にわかぇーのが従わるようになっちょるからね。 「猟犬は1匹指導犬がいれば、ついていく。そして、犬というものは1番古い犬に若いのが従うようになっているから。 山口市徳地 猟に出かける幼なじみ3人組 |
その他の山口の方言
・えらい……体が疲れている
・およろしなされませ……ごめんくださいの古典的表現
・すがる……寄りかかる
・大くじを繰りあげる……文句を言う
・おちる……釜で炊いたご飯をおひつへ移すこと
・戸をたてる……戸を閉める
・ごっぽう……たくさん
・じらを言う……駄々をこねる
・手がたう……手が届く
・ろーま……春菊
・傘にのせる……傘に入れる
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言葉の意味や使い方など地域によって異なることがあります。